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FASS検定|導入事例

日立化成株式会社

1: FASSを導入した背景と経緯は?

1: 激変するビジネス環境の中、幅広い経理・財務知識を身につけるために

グローバル化が急速に進む昨今、経理・財務部門を担う我々の仕事も大きなビジネス環境の変化に直面しています。当社も海外売上高比率が50%を超えるまでになり、IFRSや各国の内部統制など新しい取り組みへの目配りも欠かせなくなっています。ゆえに、日立化成の「経営支援」を担う財務センタのスタッフは、より幅広い会計知識を含む高度なスキルを身につけたジェネラリストになることを求められているのです。

従来の人材育成は、上長、先輩社員からのOJTをメインに、分科会活動、グループの職能別教育研修を活用してきました。ただ、チームでスピーディーに業務を進めるためには、全員が高い知識レベルに到達している必要がありますが、教え方の差が出やすいOJT、課題を抽出して問題解決を図ることを目的とする分科会だけでは、少し物足りないと思っていました。そこで、実務的な経理スタンダードを網羅的に習得できるFASSの導入を決めたのです。

2: FASSの導入対象(受験対象)とその狙いや教育体系の位置づけは?

2: 自発的な勉強会も始まり、モチベーションの活性化に寄与

2006年からFASSを導入しました。対象は新人からマネージャークラス未満まで。当社の職級でいえば、研修員から主任、課長代理までとなります。これまでのべ300人以上の受験実績がありますが、各人の会計知識レベル、スキルを知り、どんな知識が足りないのかを把握する、という主目的はおおむね達成できていると考えています。

注目すべきは、若手社員たちの自発的な学びの動きです。工場などの事業所にいるメンバーは業務が原価計算に集中するため、担当以外の経理・財務知識がどうしても希薄になります。結果としてFASSのスコアもその分野の点数が伸び悩む。その問題を自ら感じた彼らは、「勉強会をやらせてください」と提案してきました。その話を聞いた時は、素直にうれしかったですね。

今では、年単位のスパンで1つのテーマ・分野を取り上げ、弱点を克服していくという自主的な学びの場に結実。現在、その活動はすでに4期目に入っています。また、この勉強会は、FASSの試験対策だけの勉強会ではないのもポイント。勉強会参加者の、経理・財務知識全般の底上げ、モチベーションの活性化にもつながっているのです。

3: 対象ごとに要求するFASSのレベルは?(昇格条件など処遇とのリンクもあれば)

3: Cランクの取得が最低目標。将来のマネージャー候補層にはAランクを求める。

受験対象者には、基本的にCランク以上の取得を求めています。これは、Cランクの取得要件である「経理・財務分野について、日常の業務を行うための基本的なスキルが身についている」が、私たちが対象者に最低目標として望むレベルと合致しているからです。そして現状、受験者の半数以上がCランクをクリア。どの拠点にも一定以上の知識レベルを持ったスタッフがいる、という全体状況が把握できました。ちなみに、若手勉強会の運営メンバーから、20代でAランクを獲得した社員が数人出てきており、周囲に大きな刺激を与えています。

スコアデータを人事評価、異動の際の材料に使うということはまだありません。ただ、将来のマネージャー候補層となる人材には、いろいろなキャリアパスの機会を与えるのと同時に、ベースとなるFASSのAランク取得は強く求めていきたいと考えています。

4: 今後の教育上の課題は?

4: アジア版FASSを含め、海外スタッフの受験も促進したい

経理、財務を担う人材は、本社、国内・海外のグループ約60社のメンバーで構成されています。すでにFASSを導入している日立化成は、前述した若手勉強会などを支援しながら、受験者のモチベーションを高く保っていきます。今後は国内の日立化成グループ全体に取り組みを広げ、さらに、当社は、アジアの新興国にも広く進出していますので、「アジア版FASS」の導入も検討したいと考えています。グループ全体でFASSを活用しながら、高い知識、スキルを有するスタッフを多く育てていきたい。そして、グローバルの財務・経理スタッフがどこでも活躍できる、そんな将来像に向かって下地をつくっていきたいと考えています。

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