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FASS検定|導入事例

国分株式会社

1: FASSを導入した背景と経緯は?

1: 経理関連人材の全体スキルレベルを測る“モノサシ”として

当社は食品商社として、全国各地に多くのグループ企業を有し、お取引させていただいている企業数は他業種と比較して圧倒的に多いと思われます。全体で3万社ほどある顧客の売掛金処理は膨大ですし、約1万社におよぶ仕入先の買掛金、未収入金の管理など経理の実務も多岐にわたります。グループ全体で約4600人の社員のうち、経理関連業務にかかわるスタッフは約600人(工数ベース)。数年前から、経理・財務の知識レベルの全体把握が急務と考えており、客観的にレベルを測るための“モノサシ”を探していました。情報システム部門に求められるITスキルを体系化したITSS(ITスキル標準)のような診断ツールがないかと調査し始めた時、FASSの存在を知ったのです。そして、経理財務知識を測定するために非常に優れたツールであると判断し、導入をすることを決定しました。

2: FASSの導入対象(受験対象)とその狙いや教育体系の位置づけは?

2: 国分グループ全体から選抜した「主計業務」経験者、候補者が対象

2012年3月、最初のFASS試験は、国分株式会社の社員を対象に選抜し、86名が受験しました。受験対象者は、「主計業務」の担当者で、決算から管理会計、制度会計、税務という広範な業務を扱う人材です。過去および現在に主計業務を経験したことのある社員、そして将来の主計担当の候補である経理社員を各エリアの責任者に選抜してもらいました。同様に2013年3月、グループ会社から選抜した経理関連社員49名が受験しています。

主計担当者に求められるのは、経理財務のルーティン業務に加え、現場で問題の発生を未然に防ぎ、調整、解決していくという実務的な能力です。現場でしっかり力を発揮するためには、経理社員一人ひとりが問題意識を持ち、研鑽を積み重ねる必要があります。一方、FASS試験で求められるのは経理、財務、会計の一般知識です。受講者は、自分のスコアから「経理の知識ベースがどれだけ足りないのか」ということがわかり、気づきが生まれます。受験時の自分のスコアを把握することで、それが次の学び、さらなる高みを目指すきっかけになれば、と考えています。

3: 対象ごとに要求するFASSのレベルは?(昇格条件など処遇とのリンクもあれば)

3: スコアは評価の対象にはせず、知識レベルを高めるきっかけに

受験者から無記名で結果を申告してもらい、全体のスコアの分布を経理経験年数とともに把握、分析しています。先述のとおり、FASS受験は「全体の知識レベルの把握・社員個々の気づきの機会」と捉えておりますので、スコアを上司にフィードバックしたり、個人とひもづけた人事評価、異動の材料にはしていません。

受験者全体のスコア平均は、Cランクの上位で、FASSの全国平均とほぼ同じレベルでした。ちなみに、Aランクの取得者と年次にはあまり相関関係が見られず、高スコアは学びの姿勢、問題意識に依るところが大きいと感じています。ただ、当社では経理の実務キャリアを10年間積むとおおむね役職がつきますが、そのレベルでは最低でもBランク、できればAランク取得を目指してほしいですね。

4: 今後の教育上の課題は?

4: FASSによる気付き・モチベーション高揚を図り、国分グループの経理レベルを向上

FASSを有効に活用するためには、継続が何より大事だと考えており、今後は、国分株式会社とグループ企業が隔年で受験していく計画です。定着するまでの間は、国分本社が受験料を全額負担し、その後は、人事部と連携してFASS検定を資格取得の補助対象とし、受験費用の半額を会社が負担するかたちで受験者を支援していく予定です。

また、経理財務部内で人材育成チームを編成し、FASSを活用した経理関連業務に従事する人材のボトムアップを図る施策も始めています。それは、経理スキル定義の明確化、知識データベースの整備および推薦図書の充実です。まず、スキル定義で自身の担当業務において必要となる知識を明確にし、それを元に知識データベースで必要な社内の経理規則、マニュアルを確認、さらに推薦図書で、不足しがちな簿記や会計原則などの一般的な知識の習得を図っていきます。そういったなかでFASS検定は、それらの必要性に「気付く」重要なツールだと思っています。いくら環境を整備しても本人がその必要性に気付かなければ、絵に描いた餅ですから。もちろん、当社の方針としては、あくまでも実務重視。FASSは今後も活用していきますが、受験者にとって勉強のための勉強になっては意味がありません。FASS受験から得た知識を実務に生かす姿勢を、しっかり求めていきたいですね。

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